医療法人社団 ことり会

伊藤院長に訊く

クリニックを立ち上げたのはどのようなきっかけからですか?

医局や他の医院いたときに、まわりの医師を見ていて、なぜもっと患者様を丁寧に診られないんだろうと疑問に思っていました。他院への転職を考えていたところ、当院の立ち上げを手伝ってほしいと声がかかりました。当クリニックの地域貢献に力を入れるという志に共感して、勤務医として働いています。私が訪問診療や地域貢献に力を入れるのは、単純にお年寄りの診察が好きで、医師が苦手な人に医療を提供したいという思いが強くあります。たとえば、病院で嫌な思いをされたことがあったり、怖いイメージを持っている人もいると思います。けれども患者様にどう思われようが、分け隔てなくしっかり診たいと思いますし、診れる医師は絶対必要です。

患者に対して気を付けていることは何ですか?

救急センターや外科に在籍していたので、病院レベルの治療もできますが、治療方針は患者様と相談しながら決めています。いきなり治療をがっちり行ってしまうと、余計に病院嫌いになってしまう方もいるので、決してやりすぎないように気をつけています。そして患者様の要望を細かく察知して、ご自宅で楽しく暮らせるように、最善の治療をします。誰でもじっくり話を聞いてお話をすれば心を開いてくれますので、まずは話を聞くことを意識しています。

診察にあたり思い出に残っているエピソードはありますか?

私が30歳くらいの頃、同年代のご夫婦の親御さんが余命1か月の末期がんと診断され、いろいろと密に連絡を取っていたことがあります。最終的には家で看取ったのですが、今でも記憶から離れません。患者様ご本人はどっしり構えていましたが、若いご夫婦にはわからないことがたくさんあったようで、不安になっていました。このときに、訪問診療は患者様だけでなく、ご家族にもしっかりお話して安心してもらえるよう考えて診なければいけないと痛感しました。ご家族の方は、介護を頑張り過ぎるとウツになったり介護疲れで崩壊してしまうこともあります。多くの医師や周りの業者、ケアマネージャーなどがご家族に助言をして、頑張らせてしまうことがその原因の一つでもあります。介護にのみ集中できるのが一番いいのですが、やっている当事者は仕事や家事をしながら介護も抱えることになるので大変ですよね。褥瘡(床ずれ)など触りたくない傷に触らなければいけないし、他におむつ交換や食事介助などもあり、それをご家族が毎日行う負担は大きいのです。だからこそ患者様はもちろんご家族にもしっかりとしたケアが大事なんです。

診療所の治療方針を教えてください。

どんな病気でも、きちんと話して一つ一つしっかり説明し、メンタル面のケアも気にしながら、患者様やご家族に治療方針を説明します。そうすることで患者様との信頼関係ができるのです。そして何気ない雑談の中から病気の原因が見つかることもあるので、話をよく聞くということを心掛けています。例えば「ご飯が食べられない」という患者様が病院に行くと、食欲不振と診断されて栄養剤をもらって終わるケースがあります。けれども実際には入歯が合っていなかったり、味覚障害ということもあります。味覚障害は甘い物を食べても苦く感じるのですが、実際には「舌がしびれる」と、教科書的ではない答えがかえってきます。そこで亜鉛欠乏だとわかるのでお薬をだしますが、それまでは他の病院で食欲不振の抗うつ薬を飲んでいたということがありました。また、ちょっとした症状で放っておかれたケースも多く、「胸が痛い」と訴える患者様に対して、実際には食道炎なのに、狭心症と診断されて薬を出されてしまうのです。けれども食道炎は生活習慣を替えるだけで、薬を飲まずに治ることもあるのです。お年寄りは薬が多くなると、ご飯が食べられなくなるので、うまくバランスを取りながら無理をせず、家で楽しく過ごしてもらえるようにと思っています。そのためにはやはり、患者様にきちんと合った治療方針を決める事が重要なのです。

患者様と接する上で心掛けていることはどのようなことですか?

外来でも訪問診療でも、一番は病気や治療に関して、患者様とご家族に完全にわかってもらえるまで、時には絵を描きながら、しっかりとわかりやすく説明することです。もしこちらからの治療法の提案に対して、患者様がそこまでやりたくないと言われたら、極力リスクの少ない方法を説明して、納得される治療方針を行っています。また、病院に行かずに、家でお看取りを希望される方には、看護師と一緒に在宅で介護をする場合もあります。いずれにしても訪問診療は説明が一番大事です。そして、患者様へのケアの仕方、ご家族のメンタルケアや対処の仕方など、一緒に考えていきたいですし、何より病院に行きたくない、入院したくないご高齢者を、家でお孫さんやご家族と楽しく過ごせるようにしてあげることが、私にとっては心掛けていることであり、やりがいでもあります。

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